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あくびに隠されたヒヒのヒミツ



動物園で、ヒヒがあくびをしているところを見たことはありませんか? 実はこのヒヒの「あくび」、ヒヒにとっては眠気のしるしばかりではないのだとか。いったいそれはどういうことなのでしょう?

ヒヒの特徴

ヒヒの特徴

古代エジプトで「神の使い」としてあがめられ、世界遺産のアブシンベル神殿の壁画にも登場する「マントヒヒ」や、まるで色鮮やか化粧をしたかのようなカラフルな顔立ちの「マンドリル」など、サルの中でも特徴ある仲間が多いのがヒヒです。ヒヒの特徴をまずは簡単に紹介しましょう。

ヒヒとは
ヒヒは、「哺乳網・霊長目(サル目)・オナガザル科」のサルのうち、アフリカ産で大型の地上性の一群の総称です。マントヒヒ、キイロヒヒ、ドグエラヒヒ、マンドリルなどに大別されます。一般に雄は体長70cm、メスは60cmほどで、鼻口部が突出し、犬歯が発達しているのが特徴です。
マントヒヒ
マントヒヒは、古代エジプトでは神聖な神の使いとして礼拝の対象とされ、寺院の壁に描かれたりしました。オスのリーダーに率いられた大きな群れで生活し、昼間活動します。おとなのオスは頭から肩にかけて毛が白く長くなり、まるでマントを着ているように見えることからマントヒヒと呼ばれています。メスはオスに比べると体が小さく、マントのようなたてがみもありません。
マンドリル
色彩豊かなものが多いヒヒの中にあって、鼻筋が鮮やかな赤、その両側が青で、しかも藤色の線が6~7本走っているという、特にカラフルな顔立ちで有名なマンドリル。「ライオンキング」の長老のモデルでもあります。オスを中心とした複数のメスとその子どもからなる群れをつくり、食べものを求めて林の中を移動する生活をしています。オスは成長するにつれて鼻の横の青いしまが発達し、繁殖のシーズンには顔全体がより鮮やかな色合いになる一方で、メスは体の大きさがオスの半分もなく、色も鮮やかではないなど、オスとメスでその容姿は大きく違います。

あくびに隠されたヒヒのヒミツ

あくびに隠されたヒヒのヒミツ

動物園でよく見られる光景が、こうした特徴あるヒヒたちの展示の前では、時折、来園者たちの歓声が上がります。ヒヒたちが、檻の前に出てきて、大きく口を開けて「あくび」をした様子に、歓声が上げるのです。しかもあくびの数は1回や2回ではありません。あくびの連発です。マンドリルをはじめ、非常に特徴を持ったヒヒたちですから、来園者にとってはあくびの姿も見応えたっぷりで、その度に歓声はあがります。しかし、このヒヒのあくび、ほとんどの場合、私たちが思う眠気のしるしではありません。実は、ヒヒのあくび(のような行為)は、"おどかし"を意味することの方が多いのです。実際、あくびをしたときのヒヒをよく見ると、威嚇のときは目を見開いていることが多く、大きな犬歯をできるだけ誇示するような動作をしていることがわかります。おそらくヒヒたちは、自分たちが人気者だからこれだけ人が集まってくれているんだ、などとは思っていませんから、自分の周りがあまりにもうるさいことに「これ以上近づくと噛むぞ!」と威嚇しているのです。ヒヒのあくびを見たら、それが威嚇なのか、あるいはのどかな午後に見られるような本当のあくびなのか、観察してみるのも、ヒヒの特徴を知るうえで、面白いのではないでしょうか。

「ヒヒ」に会いに行こう

「ヒヒ」に会いに行こう

ヒヒの仲間は多いので、いろいろな動物園でヒヒを見ることができます。中でもマンドリルは人気者で、現在、国内の動物園で60頭以上が飼育されています。

広島市安佐動物園のヒヒ山
安佐動物園の「ヒヒ山」では、何とヒヒと綱引きが楽しめます。ヒヒたちがいる場所と来園者との間にトンネルをつかって1本の綱が渡されており、来園者がその綱を引っ張るとヒヒが引き返してくれます。実はこれ、ヒヒが綱を引くと横から餌などが出る仕組みになっているのです。
東武動物園のマントヒヒ
立派なマントを持ったオスのヒヒがいます。飼育係がじっと見ていると、怒って水をかけてくるそう。それも見どころです。
京都市動物園の「ベンケイ」と「オネ」
ベンケイとオネ。さすが、京都らしい名前です。よりカラフルな顔を持つのがオスのベンケイです。二人の間には子どもも誕生しています。
CXg