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動物園の環境エンリッチメント/具体例①



「いかに動物を自然な形態の中で飼育し、それを見せるか」という課題は、世界中の動物園が挑戦し続けてきたものです。これは「生態的展示」と呼ばれるもので、近年の土や植物のある展示は、まさにその基本となるものですが、実はこの「当たり前」のことは、なかなかに難しいことなのです。お金がかかるといった理由以前の難しさがあるのです。なぜ難しいのか、そしてその難しさを様々な工夫で克服している最近の動物園の姿を紹介しましょう。

土や植物のある展示はなぜ難しいのか?

土や植物のある展示はなぜ難しいのか?

極端に言ってしまうと、長年、動物園では、土や植物のあるところで動物を飼うというのは、タブーとされてきたことです。なぜなら、動物園が一貫して苦心してきたのは、いかに動物たちを長生きさせ、繁殖できる環境を整えるかということです。それにおける最大の敵は、病気です。病原菌をはびこらせないためには、糞や食べ物の残りを毎日しっかりと掃除し、時には消毒をすることも大切です。そのためには、雑菌の繁殖しやすい土は、むしろ排除すべき対象だったわけです。

また、自然界でない場所での動物と植物の共存には、落とし穴があります。シカやシマウマなどの草食動物にとって、植物は餌以外の何物でもなく、草は根こそぎ、木も皮を食べられて立ち枯れしてしまいます。草を食べない霊長類は大丈夫だろうと安心していられません。手先が器用な彼らは、暇つぶしに草を抜いてしまうのです。唯一、共存が図れるのは、植物に無頓着であるライオンやトラなどの一部の動物だけだったわけです。

国内の動物園の様々な工夫

国内の動物園の様々な工夫

現在、国内の動物園では、様々な工夫でこの課題に取り組んでいます。

例えば、愛知県にある「豊橋総合動植物公園」。キリンやシマウマといった草食動物を緑の草原で飼うために、広大なスペースを用意した上で、草が絶えることのないように種をまいています。

日本最古の歴史ある動物園「恩賜上野動物園」の「ゴリラとトラのすむ森」では、木の周りに電気柵を張り巡らせることで、ゴリラの展示場の中に木のある景観をつくりあげています。

横浜市にある「よこはま動物園ズーラシア」では、生息地の景観をできるだけ再現するために、動物園全体の植物を、世界の地域別に分けたそれぞれのゾーンの生息環境を想定して配置していますが、これらの植物は、広い園内を活用した豊かな植栽の植物が使われているのです。動物たちによって異なる嗜好を担当者がきちんと把握し、樹種を選定し、園内の植栽で混んできたところから間引きして活用するわけです。こういった取り組みによって、例えばアジアの熱帯林地区のゾーンのゲートをくぐると、ジャングルのような植物が生い茂る向こうに、アジアゾウの展示があるといった環境を創り出しているわけです。

この他にも、規模の差はあれ、独自のアイディアで生態的展示に取り組んでいる動物園が、今、たくさんあります。あなたの地元にある動物園もそのひとつかもしれません。

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