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動物たちの「じゃあな」を知る



近年、動物園のもうひとつの動きとして、動物たちの「人生」をきちんと見せるというものがあります。これは、衰えゆく動物たちの姿もまた、命を伝えることだという視点のもとに、衰えていく過程を隠すのではなく、自然の摂理として見せようというものです。

命ある限り生き、堂々と死んでいく。そこにも尊さがある

命ある限り生き、堂々と死んでいく。そこにも尊さがある

旭川市旭山動物園(以下、旭山動物園)で、あるオオカミが年老いて、立つのもやっとという状態になったことがあります。そのとき、旭山動物園では、そのオオカミの展示をやめませんでした。

飼育員たちがそのオオカミを無理やり外に出したわけではありません。オオカミは、ガリガリに痩せて歩くことがままならなくなっても、自らの意志で飼育舎の扉を開け、運動場に出て行くのです。そしてただ倒れ込むようにして一日中昼寝をし、また飼育舎へ戻って行きます。

この状態を見た来園者からは、「なぜあのような状態のオオカミを見せるのか、かわいそうじゃないか」といったクレームが寄せられたこともあったようです。しかしそれでも、旭山動物園はそのオオカミの展示をやめませんでした。

旭山動物園の前園長である小菅正夫さんは、その著書『生きる意味って何だろう?』で、「死を伝えることなくして、命を伝えることなどできない」と書いていますが、旭山動物園では、衰えゆく動物を積極的に見せようとしているわけではありません。「衰えゆく動物の姿を隠さないのも、動物園の使命」だと考えているのです。

小菅正夫さんは、『旭山動物園園長が語る 命のメッセージ』の中では、こうも書いています。「動物は本当に堂々と死んでいきます。『じゃあな』と言って去っていくのです」と。

誕生、成長、そして老いから死に至る過程を淡々と伝えることも、動物園のひとつの大きな役割だと考える動物園で、私たちは、本当の意味で、「命の輝き」を知ることができるのかも知れません。

CXg