動物園用語辞典
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非意図的人為選択
ひいとてきじんいせんたく「非意図的人為選択」とは、人工的な飼育環境下で累代飼育を行なうことにより、野生そのものとは異なる環境下で種を保全すること。例えばオオカミの場合、その環境に最もよく適応した個体が子孫を残していく結果、野生のオオカミとは似て非なるものになってしまう可能性がある。野生のオオカミは、自然の環境下に最も適した個体が種を繁栄させる「自然選択」により生存している。それに対し、動物園で飼育されるオオカミの場合、自然環境に似せた飼育環境は作れても野生の個体が生活する環境そのものは作れない。そのため意図的ではないにしろ、野生とは異なる環境下で暮らすという人為的選択をさせられた個体は、長期に渡って累代飼育をすることにより「野生のオオカミ」ではなく「動物園のオオカミ」として種を保全してしまう可能性が問題視される。動物園においての飼育は、非意図的人為選択を避け、可能な限り種の同一性の保持に努める必要がある。
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